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【後編】特別対談 UCLA医学部 助教授・津川友介氏 ✕(株)結わえる・荻野芳隆
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【後編】特別対談 UCLA医学部 助教授・津川友介氏 ✕(株)結わえる・荻野芳隆

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―――アメリカでは大学のような研究機関や国が”茶色い炭水化物”を推薦しているということがとても大きそうですね。

荻野芳隆(以下荻野):農林水産省が「白米を食べましょう」と言っていますが、なぜ、「玄米を食べましょう」としないんですかね。

津川友介(以下津川):国策として米の摂取量を維持したいというのは分かるのですが、必ずしも白米である必要はないと思うので、もっと玄米を推奨しても良いと思います。若い世代の白米の摂取量はどんどん少なくなってきていますが、玄米が健康的であることがもっと周知されれば、その摂取量は多くなる可能性があると思っています。

荻野:アメリカでは、小麦は全粒粉がいいって言っているのに。健康的な食事のほうがかっこいいと思うんだけどな。

津川:かっこいいというか、玄米を食べている人はちゃんとした人なんだなって思います。アメリカのビジネスマンは、健康的な食事をしていないと、仕事ができない、自己管理ができていないと思われます。ジムに行ったり、食事に気を使ったりして自分自身の体型や体調管理ができている人は仕事のパフォーマンスも高いだろうと。人は体が資本だから。

―――アメリカではその考え方がスタンダードなんですか?

津川:私の同僚は大学病院の医師が多いのですが、そういう人って健康意識が高いんです。勉強してそれなりに知識のある人にとっては、玄米が健康によいということに異論はないですね。アメリカだとビジネスマンなら当たり前だと思います。

荻野:たしかにトップクラスに太っている人はいないイメージです。

津川:表立っては言わないですが、ごはんを食べに行って選択するメニューで分かりますよね。たとえば5人でごはんに行ったとします。みんな選ぶメニューはサラダにプロテインとかですね。米を頼むとしたら白米ではなく玄米を頼む人が大多数です。とにかく意識は高いですし、そういう情報がまた比較的正しいんです。日本の場合は健康に対して関心の高い人は多いでしょうが、残念ながら、その情報が間違っている人も多いと思います。

荻野:どうやったら日本でもアメリカのような状況が作れると思いますか? 健康に気をつけて、知識も付けているんですけど、わかったふりをして、低糖質とか糖質制限をやってしまうんです。

津川:メディアの果たすべき役割は大きいと思います。メディアにもっと頑張って正しい健康情報を広めてほしいと思っています。病気になってしまうことを考えたら、国や業界にとってもデメリットはないはずだから、もっと社会的意義を考えてもらえたらうれしいです。

荻野:メディアが変わるのは、国の指針も大きいですよね。お金の出処は業界だったりするから。

津川:いま流行りの糖質制限には、玄米に比べてエビデンスはほとんどありません。業界としてはビジネスチャンスと考えて、新しい糖質制限の商品をつくるだけになっているのでしょうけど、今の時代、CSRとか、社会的意義も考える必要があると思います。消費者が病気になってもいいから商品が売れればいいという時代ではないと思うんです。日本は世界で一番寿命が長い国なのに、正しい健康情報の周知度に関してはかなり遅れてしまっています。結わえるさんにはぜひその旗振り役になってほしいと思っています。

荻野:僕も10年前からそう思っています。玄米を食べざるを得ない社会になるだろうと!

津川:僕もヘルスケアアドバイザーとして尽力します。

コラム製作 まっちゃん

広島県出身。大学卒業後、興味のあった中国へ語学留学し、そのまま4年間暮らし、改めて日本食のおいしさと日本文化の優しさを実感。帰国後すぐに上京し東京で13年間働く。結婚後長野県東御市に移住。宗教・歴史に興味があり、長野県移住後は諏訪地域の神仏習合や縄文遺跡にはまって散策しています。普段は玄米食で、一汁三菜の常備菜を食べ、早寝早起きの健康ライフを送っています。
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