群言堂日記-15根っこの神様
群言堂の本社裏には、「根っこの神様」という神様が祀られています。
群言堂本社の裏の山に生えている、大きな木。その根本は土が半分崩れて根がむき出しになっています。
むかし、土砂崩れが起きたのか。もし、ひ弱な根の木だったらとうに倒れてしまっているであろう環境でもしっかりと持ちこたえたのは、これだけ立派な根が張っていたからだということが見て取れます。
実はこの「根っこの神様」、登美さんが祠を再建したのだそう。そして、群言堂の新年はこの神様をお参りすることからはじまるそうです。
−困難が立ちはだかった時に持ちこたえられるかどうかは、しっかりと根を張った暮らしをしているかにかかっている。
この木の姿が、そんな想いに重なるように感じて、一度は忘れ去られてしまった祠を立て直し、大切にお参りするようになったのだと言います。
もしこの木の存在に気づかなかったら、ただの木だと思ってしまっていたら、ただそれだけの存在。しかし、「根のある暮らし」を大切にしているからこそ、そこに価値を感じたのだと思います。
よく登美さんは、「自分は人が見向きもしないものに価値を見出す」と言います。
まさに、こんな「偶然」や「ご縁」もそれに気づくのも、その人の心次第。
なんてことのない日常の中に大切なものを見出せる気持ちこそが、豊かな暮らしの根本にあることを教えてくれます。