【お出かけルポ】エコプロ2017へ行ってきましたvol.1「日本の棚田を学んできた」編
アジアを代表する環境・エネルギーの総合環境展示会「エコプロ2017~環境とエネルギーの未来展」。
“持続可能な社会に向けて”という素晴らしいテーマのもと、大企業の最先端技術から伝統文化を継ぐ個人産業まで、さまざまな企業・団体・店舗が大集結する巨大イベントと聞き、興味津々で行ってまいりました!
大きなイベントだということで、若干の事前予習をしていったのですが、とにかく広い!参加企業も多い!
ということで、まずは下記の会場図をごらんください。
朝11時に会場入りし、夕方16時頃まで滞在。ゆっくりじっくり回っていたこともありますが、5時間も会場にいたのに、地図の右上の赤丸部分を見て回るのが精一杯という案配。
しかも、その範囲内でも全ブースにいけてないという…泣
それぞれのブースでお話しを聞いていると、あっという間に時間が流れてしまいました。それだけ魅力的なブースがいっぱいだったということになりますが、とにかく赤丸部分の中から出れなかった…笑
「車の未来も見たいな」「家電業界の最先端も」「大学の研究も」などと、アレやコレやと夢を膨らませていましたが、あえなく撃沈。
しかしながら、赤丸部分は1番行きたかった「お目当ての場所」だったので、目的は達成できて良かったです。
巨大イベントを舐めてはいけない…とあらためて勉強になりました。
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さて、会場に入った途端、テンションがあがりまくりです。
社会見学的な小中学生の子どもたちもたくさん訪れていて、人気の企業さんのもとに群がっておりました。
そしてお目当てのブースへ到着。
まずは「日本の棚田 共同展示コーナー」へ。
「日本の棚田 共同展示コーナー」
案内文に“農業の智恵が集約された棚田。保全と勝つように取り組む関係者が全国から集結”とあり、これはぜひお話しを聞きたいぞ!と一番に立ち寄りました。
そもそも棚田ってナニ?その役目とは?
小中学校の地理で習ったきり、聞いたことはあるけどイマイチよくわからないという方がほとんどだと思います。
山の斜面や谷間の傾斜地に階段状につくられた水田のことで、畦の重なるカタチが棚に似ていることから「棚田」と呼ばれるようになりました。
日本にある約250万ヘクタールの水田のうち、約22万ヘクタール(8%)が「棚田」なのだそうです。
水のきれいな水源の近くにあり、昼夜の温度差が大きい「棚田」は、おいしいお米を育てるだけでなく、多種多様な生き物を育む生態系の宝庫。
さらに、地すべりや洪水、表土の流出を防いで、地下水を蓄えるなど、私たちの国土や環境を保全する多面的な機能を持った“守るべき里地里山”なのです。(NPO法人 棚田ネットワークさんパンフレット引用)
いま、「棚田」の荒廃がとまらない
そんな大切な「棚田」ですが、減反政策や農家の高齢化などにより、今では22万ヘクタールのうち40%以上が耕作放棄地となっているそう。
経済効率を追い求めてきた結果、どんどん荒廃がすすんでしまっているのです。
「棚田」の荒廃をくい止めたい!「棚田」の魅力をもっと知ってほしい!という目的で、「エネプロ2017」での共同展示が開催されていました。
それぞれの「棚田」の魅力をアピール
美しい風景を織り成すとともに、農業の智恵が集約された「棚田」の保全と活用に取り組む関係者の方々が全国から集結!
“棚田のお米や名水などプレゼントもあるよ”という魅力的なキャッチの「棚田めぐりクイズラリー」によって、参加12団体をまんまとめぐることができました。
その一部の方々をご紹介します。
英田上山棚田団(岡山県美作市)
「楽しいが集まる」をモットーに特産品を生み出す
岡山県の北東に位置する「上山(うえやま)」という人口約160人の小さな集落の方々。しかしそんな小さな集落とは思えない、パワフルで多彩な活動を展開しています。
この地ならではの特産品を多数生み出し、自らの暮らしを発信するための情報誌「上山集楽」を発行するなど、精力的な取り組みを行なっています。
美味しくて貴重な上山棚田酒「㐂(き)」の生産者さんから、民泊もはじめられたというお話しを伺いました。先日はカラオケスペースも自ら手づくりされたそう。とてもステキなおじさまだったのに、お写真を撮り忘れちゃったのが残念無念。
まつだい棚田バンク(新潟県十日町市)
「松代棚田」の里親になって応援しませんか?
新潟県十日町市の松代を中心に、高齢化や過疎化で担い手のいなくなった棚田を保全するため、里親(棚田オーナー)を募るというシステムを紹介されていました。
里親になると、農作業や交流会にも参加させてもらえるし、配当米も届けてもらえるそう。
おお〜これは気になるシステムだ!と、真剣にお話しを聞き入ってしまいました。自らがオーナーとなって微力ながら手伝うことができ、その地域の方たちとも交流が出来るなんて最高ですよ。これは広まっていくべきだと心から思いました。
私が知らなかっただけだと思いますが、この棚田の里親制度はさまざまな地域で行なわれているそうです。地域との直接交流ができる地方創生のカタチ、とてもオススメだと思いました。
小谷村田んぼオーナー推進会議(長野県北安曇郡)
土地の利や特徴を生かした取り組み
小谷村(おたりむら)は長野県の最北西部に位置し、雄大な北アルプスに囲まれた峡谷型の地勢で、棚田も多くあります。また、白馬乗鞍温泉スキー場や栂池高原スキー場など、上質なスノーリゾートとしても有名な場所です。
こちらも「まつだい棚田バンク」同様、田んぼオーナーを募って交流を図りながら棚田の保全を目指しています。
そんな中、こちらのブースで一番目を引いたのがこちら「ぼろ織り」です。
「ぼろ織り」とは、裂いた布を織りあげる手法のこと。山深い小谷村で古くから培われてきた暮らしの智恵だそう。
いまでは「小谷ぼろ織り」として小谷の特産品となって親しまれています。ひとつひとつ手織りなので、味わい深くてあたたかい作品でした。
まずは「棚田」を知ることから
さまざまな棚田の関係者の方とお話しして強く思ったことは、「本当に私は何も知らない」ということ。日本人として日本にすんでいながら、日本のことをなんもわかっちゃいない。無知は罪だなぁとあらためて思いました。
すでに「棚田を応援したい」「棚田を守りたい」という人たちは大きく動き出しています。そしてその人たちの表情はとてもイキイキしていました。
「棚田を通じて地域を守り、活性化させたい」という皆さんの声を、超微力ながらも広めていきたいなと思いました。
・・・次回「グリーンストアーズ編」に続きます。