【二十四節気の一汁】小雪の一汁「山芋とろろの和風シチュー」
カレンダーで時おり見かける、立春や冬至といった季節の変わり目。
これらは二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれ、太陽の動きをもとに、春夏秋冬をさらに6分割した期間です。
その時期ごとに食べると縁起がいいものや、季節の変わり目にとりたい食材のヒントが隠れていたり。この連載では、寝かせ玄米によく合う一汁を、二十四節気の移り変わりとともにご紹介していきます。
■TOPICS
・小雪(しょうせつ)
・小雪の過ごしかた
・小雪に旬をむかえる食材
・小雪の一汁レシピ「山芋とろろの和風シチュー」
小雪(しょうせつ)
日が落ちるのが早くなり、ずいぶんと冷え込むようになってきました。
北海道の釧路では初雪が観測されたようです。
今日から「小雪」の節気。
2021年の小雪は11月22日から12月7日までの期間にあたります。
小雪の過ごしかた
11月23日は「勤労感謝の日」で、戦後に作られた国民の祝日です。
戦前は「新嘗祭」が行われた日として知られており、天皇が国民の代表として秋の収穫に感謝し、神様に五穀を奉納して新穀で神様をもてなすとともに、天皇自らも新穀を食し、新たな力を得て来年の豊作をお祈りする、という大祭でした。
法令としての大祭は廃止されましたが、現在も天皇によって行われる儀式です。
せっかく新米が手に入る時期なので、実りたてのお米を味わってみるのも良いですね。
食物や作って下さっている農家さんに、改めて感謝の気持ちを持てる良い機会です。
お米をじっくりかみしめて、自然の力をたっぷりもらいましょう。
小雪に旬をむかえる食材
山芋、里芋などのいも類がおいしい季節です。
山芋とはヤマノイモ科ヤマイモ属ヤマイモの総称のことで、代表的なものだと自然薯、大和芋、長芋などがあります。
山芋はすりおろして食べられることが多いですが、今挙げた3つの山芋では食感が異なります。自然薯は粘りが大変強く、大和芋はなめらかな粘り、長芋は水分が多くさらっとした粘りです。
自然薯はすりおろしてとろろにして食べられることが多いですが、大和芋や長芋は焼き物や煮物など加熱して食べられたり、お好み焼きなどのつなぎとして使われることも。
加熱すると、大和芋はふわっとした食感、長芋はほくほくとした食感になるのが特徴です。
栄養価としては、自然薯、大和芋、長芋は総じてビタミンB1やビタミンB6などのエネルギー生産や皮膚の健康を保つためのビタミン、摂りすぎた塩分を排出してくれるカリウムなどが比較的多く含まれます。
とろろにする際、山芋から出るシュウ酸カルシウムでかゆみが出る人もいるかと思いますが、シュウ酸カルシウムは酸に弱いので、とろろにする前に山芋を酢水につけておいたり、手に酢を振っておくのも効果的です。
今回は、ふわっとした粘りが特徴の大和芋を使ったシチューをご紹介します。
小雪の一汁「山芋とろろの和風シチュー」
すりおろした山芋でとろみをつけて、小麦粉やバターを使わないシチューです。みそで味付けをして和風に仕上げました。山芋の滋味のある甘みにほっこりします。
材料(2人分)
作り方
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01大和芋はすりおろしておく。玉ねぎは1cm幅にスライス、小松菜は根元を切り落として4cm幅に切り、しめじは根元を切り落として小房に分ける。鶏もも肉は食べやすい大きさに切る。
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02小鍋に油をひき、弱火にかけて鶏もも肉と玉ねぎを炒める。
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03鶏肉の表面の色が変わったら、だし汁を入れて中火にかける。煮立ったら弱火にして、小松菜としめじを入れて3分ほど煮る。
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04豆乳、しょうゆを入れ再び煮立ったら、すりおろした大和芋とみそを溶き入れ、沸騰する直前で火を止めて完成。
とろろで作るシチューで旬の山芋を味わおう
今回は旬の大和芋のとろろで作るシチューをご紹介しました。
小麦粉アレルギーやコンソメを使いたくない、という方にもおすすめです。
新米の玄米と合わせて、ぜひ大和芋のおいしさを味わってみてください。
次回の節気は、本格的な冬の寒さを感じる節気「大雪」です。お楽しみに!