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フランスの食卓で見つけた素敵な食習慣
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フランスの食卓で見つけた素敵な食習慣


ヨーロッパ滞在中の筆者から、現地の文化や暮らしを通して感じたことをお届けするコンテンツシリーズです。

もともと旅好きの筆者は、長期・短期も併せてこれまで27ヵ国を訪れました。その度に様々な文化の違いに驚くことがありましたが、裏を返せば島国である日本が世界の中でもユニークな存在であることの証明だと思います。

世界から見るユニークな日本の文化、国内外の「当たり前」の違いを通して、暮らしのヒントや日本を違う角度から再発見できるような情報をお届けできればと思います。

今回は南フランスに滞在中、家庭の食卓を通して「これは素敵!」と気がついたことがあったので紹介させていただこうと思います。

 

■TOPICS

・フランスの家庭料理
・昼にたくさん食べて夜は少量に
・家庭料理は「何を作ろう」と悩まなくていい
・ハーブの香りで味付け
・食事中にテレビは見ない
・まとめ
 

フランスの家庭料理

まずフランス料理というと、トリュフやフォアグラなどの高級食材を使ったレストランでのフレンチ料理を頭に浮かべるかもしれませんが、家庭で食べられることはそうそうありません。
 
フランスの家庭でよく食べられるものというと、パンやチーズにハムといったシンプルなものが基本のようですが、日本と同じように地域によってやや異なるようです。
 
北側の地域ではドイツやベルギーが近いというのもあり、ステーキやソーセージにマッシュポテト、ビーフシチュー、ムール貝の酒蒸しといった料理が食べられ、南側ではイタリアが近いのもありトマトやオリーブオイルを使った料理が多く、ラタトゥイユやブイヤベースなどが代表例。気候も温暖なことからフレッシュな野菜を使ったサラダやフルーツが食べられ、地中海式食事と称される健康長寿の食事法として有名です。
 
他の欧米諸国に比べると肥満率が少ないフランス、街で見かけるフランス人は確かに全体的にスリムな印象です。フランスではどのような食習慣があるのでしょう。
 
 

昼にたくさん食べて夜は少量に

 
フランスでは朝・昼・晩と、1日どのような食事が食べられているのでしょうか。
 
朝はクロワッサンやクロックムッシュ、というステレオタイプのイメージがありましたが、家での朝食は薄切りパンにバターやジャム、コーヒーや紅茶、というのが定番なようです。
 

 
 
そして昼食は一日の中で最もボリュームが大きいのが一般的です。お昼には魚やお肉のメイン、パン、デザートまでしっかり食べることも。
 

 
 
夜はお昼にたくさん食べた分少なく済ませます。サラダやスープにパンやキッシュ、というシンプルな食事が多いようです。
 

 
夜はこういうものだ、と決まっていれば考える必要もないですし、特に共働きの家族にとっては食事作りの負担が少なくて良さそうです。
 
日中は頭や体を使うことでたくさんエネルギーを消費しますが、夕食のあとはシャワーを浴びてリラックスの時間、という人がほとんどではないでしょうか。
エネルギーを必要とする昼食に十分食べて、夜は控えめにするという食事スタイルはとても理にかなっているなと感じます。
 
 

家庭料理は「何を作ろう」と悩まなくていい

 
日本の家事の中でも負担の大きい毎日の食事作り。今晩の献立のヒントを教えてくれるレシピサイトやアプリなどが充実しているのも、食事作りに悩みを抱える方が多いからなのでしょう。
ところが海外の人の話を聞いていると、毎日何を作ろうか、と悩んでいるのは日本人くらいではないか、と思うこともあります。
 
日本人の食へのこだわりによって日本の食文化が栄えてきたのは紛れもない事実であって、外食の選択肢は数えきれないほどありますが、一体それをどこまで家庭で行うべきなのかと思うと疑問です。
 
いつもながらの味噌汁に、煮物や酢の物などでも、季節の移り変わりによって食材を変えるだけでバリュエーションは生み出せる。
「何を作ろう」と悩まなくていいのが日々の家庭料理ではないか、そんなことを考えるきっかけになったフランスの家庭料理のあり方です。
 
 

ハーブの香りで味付け

 

 
タイム、オレガノなどのフランスの家庭でよく使われるハーブスパイス。
スーパーには広めのハーブスパイスのコーナーがあり、屋外マルシェでもハーブスパイスの専門店をよく見かけます。
 
家庭ではトマトにはタイム、じゃがいもにはナツメグ、と使う食材や料理によって使い分けされているそう。
ハーブ単品だけでなく、魚用や肉用で料理別のハーブミックスなど各ブランドで独自に配合されたハーブミックスも豊富にあります。
ハーブを巧みに使いこなすことで塩味だけに頼らない、香り豊かな料理が仕上がります。
 
 

 
スーパーの野菜コーナーでは植木鉢ごと売られているミントやバジルも珍しくなく、庭でハーブを育てながらフレッシュな状態で料理に使うこともあります。
古くから料理に使われてきたハーブが今でも身近にある暮らし、素敵だなと感じます。
 
日本のハーブはというと大葉やねぎ、生姜、みょうが、わさび、三つ葉、ゆずなど、実はたくさんあります。今年、私は自宅で大葉を育ててみたのですが夏の終わりにかけて大豊作でした!日本の和ハーブもキッチンハーブとして、家庭で気軽に育てられるものがあります。日本ながらのハーブの香りで、日々の食事を楽しむのもいいですね。
 
 

食事中にテレビは見ない

日本ではテレビを見ながら食事をとる、というご家庭が多いのではないかなと思います。私もその大勢の中のひとりで、子供の頃、家族揃って食べる夕食時はいつもテレビがついていました。
 
もちろん家庭にもよると思いますが、フランスではテレビを見ながら食事をとる家庭は日本に比べると少ないようです。
理由は日本で見られるバラエティ番組やワイドショーといった、家族で見るような番組プログラムが少ないから、ということらしいのですが、テレビを見ずに食事や会話に集中できる食卓はなんとも素敵だなと改めて思います。
 
いつも食卓には話の花が咲いていて、ここ南フランスではイタリアの陽気な風土も混ざっているからか、お話好きな人が多いという印象。食卓が家族のコミュニケーションの場になっている、テレビと食事がセットで育った私にとってはすごく暖かい食風景なのでした。
 
 

まとめ

以上、フランスに滞在する筆者からフランスの食卓を通して見つけた素敵な食習慣についてでした。なかなか日本から海外に渡航がしづらい現状だと思うので、日本国外の文化に少しでも触れることができれば、と思いこの記事を執筆しました。日本での生活が少しでも豊かになるようなヒントがあれば幸いです。

コラム製作 管理栄養士 北田

管理栄養士ライター、ファスティングマイスター。 旅行が趣味で国内・海外とよく旅に出てはおいしいものを食べ歩いているが、いつまでもおいしいものを食べるための健康づくりに、普段は玄米食でメリハリをつけている。
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