【二十四節気の一汁】処暑の一汁「なすの南蛮汁」
カレンダーで時おり見かける、立春や冬至といった季節の変わり目。
これらは二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれ、太陽の動きをもとに、春夏秋冬をさらに6分割した期間です。
その時期ごとに食べると縁起がいいものや、季節の変わり目にとりたい食材のヒントが隠れていたり。この連載では、寝かせ玄米によく合う一汁を、二十四節気の移り変わりとともにご紹介していきます。
■TOPICS
・処暑(しょしょ)
・処暑の過ごしかた
・処暑に旬をむかえる食材
・処暑の一汁レシピ「なすの南蛮汁」
処暑(しょしょ)
みなさん、楽しい夏を過ごせましたか?
お盆を過ぎて、朝晩は涼しい風を感じられるようになり暑さも次第に和らいできました。まもなく心地よい気温となる「処暑」が訪れます。
2019年の処暑は8月23日から9月7日までの期間です。
処暑の過ごしかた
朝晩は涼しくなり暑さも落ち着きますが、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われる通り、9月の終わりまで日中の暑さはしばらく続きます。
台風の時期とも言われ、気温の上がり下がりや気圧の変化に体調を崩しがちです。
天候の変化にも負けない、元気な体を保つためには自律神経をととのえることが大切。
自律神経は太陽の動きとともに体温やホルモンを調整しているので、朝は早起きをして太陽の光を浴び、夜は早めに明かりを落として、しっかりと休息をとってあげることが自律神経を正常に保つためのポイントです。
暑さによる寝苦しい夜から解放される頃ですので、夜は空調もほどほどに早めに布団に入るよう心がけるといいですね。
処暑に旬をむかえる食材
夏野菜の代表であるなすの中でも、晩夏から秋にかけて市場に回る秋なすは、朝晩の気温差で身がしまり、うまみを感じるアミノ酸や糖が増えるため、そのおいしさは格別です。
「秋なすは嫁に食わせるな」という言葉がありますが、その意味は諸説あり、「おいしくて嫁に食べさせるのはもったいない」という説と、「なすは体を冷やすから嫁には食べさせない方がいい」という気づかいの意味であるという説があります。
なすは水分やカリウムを多く含み、体を冷やす食品である一方、鮮やかな紫色の皮には「ナスニン」という強い抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれます。
体を冷やさずにおいしくなすを食べるコツは、しっかり加熱することと、体を温める食材のねぎやしょうがなどの香味野菜を組み合わせることです。
今回は、秋なすと体を温める長ねぎとみそで作る汁物のご紹介です。
処暑の一汁「なすの南蛮汁」
なすをメインに、南蛮人がねぎが好んで食べたことから名付けられた「鴨南蛮」をヒントにして、長ねぎと鶏肉を加えた南蛮汁。
鶏肉からいいだしが出るので、だし汁を用意する時間がないときは水で代用しても大丈夫です。
材料(2人分)
作り方
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01なすは厚めの半月切り、長ねぎは2cm幅に、鶏肉は食べやすい大きさに切る。
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02小鍋にごま油を引いて中火にかけ、鶏肉を入れて表面の色が変わったらなすを入れ、しんなりするまで炒める。
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03だしと長ねぎを加え、ふつふつとしてきたらみそを溶き入れ、煮立つ直前で火を止めて完成。
おいしい秋なすのみそ汁でほっこり
今だけ味わえる秋なすのみそ汁で体を温めていたわってあげましょう。
処暑は過ごしやすい気候になってくるので、生活リズムを正すのにはいい時期です。
この機会にぜひ早寝早起きに挑戦してみてはいかがでしょうか?
生活リズムを正して自律神経をととのえると、冷えを防いで代謝アップにも繋がります。
次回の節気は、草花に朝露が見られ、秋の訪れを感じる節気「白露」です。お楽しみに!