【二十四節気の一汁】立春の一汁「菜の花と落とし卵のみそ汁」
カレンダーで時おり見かける、立春や冬至といった季節の変わり目。
これらは二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれ、太陽の動きをもとに、春夏秋冬をさらに6分割した期間です。
その時期ごとに食べると縁起がいいものや、季節の変わり目にとりたい食材のヒントが隠れていたり。この連載では、寝かせ玄米によく合う一汁を、二十四節気の移り変わりとともにご紹介していきます。
■TOPICS
・立春(りっしゅん)
・立春の過ごしかた
・立春に旬をむかえる食材
・立春の一汁レシピ「菜の花と落とし卵のみそ汁」
立春(りっしゅん)
春が近づくにつれ、心地のいい天候の日が多くなってきました。
一方、新型のインフルエンザや風邪が流行っているので、マスクをつけての外出が日常になっています。外の空気を気持ちよく吸えないのは少し残念ですね。
まもなく暦上では、春の訪れを知らせる「立春」の節気がやってきます。
立春の過ごしかた
2020年の立春は2月4日から2月18日までの期間にあたります。
寒さのピークを通り越してこれから少しずつ暖かくなっていく季節の節目。
年が明けて1ヶ月が経つ頃なので、今年の抱負や目標は順調にすすんでいるかな、と振り返ってみるのにもいい時期です。
特に今年は感染症が流行っているので、人混みを避けて、お休みの日には家で過ごすのが得策かもしれません。
家での時間を心地よくするために整理整頓をしてみたり、読みたいと思っていた本を読んだり、映画を見たり……たまには家でゆっくりするのもいいですよね。
立春に旬をむかえる食材
この時期に旬を迎えるのは、菜の花やふき、うどなどの冬の厳しい寒さを乗り越えて、力強く芽吹いた春野菜たち。
「春の皿には苦味を盛れ」ということわざがありますが、春野菜には苦みや渋みがあるのが特徴で、体の代謝をよくしてデトックスを促してくれます。
もう少し詳しくみると、菜の花やこの頃旬を迎えるブロッコリー、小松菜などのアブラナ科の野菜には特有のピリッとした苦みがあり、これはイソチオシアネートという成分で、解毒を担う肝臓の機能を助けてデトックスを促します。
また、ふきやうどなどの渋みは植物性アルカロイドという成分によるもので、こちらは腎臓の働きを助けて、新陳代謝を促します。
冬の間は寒さで血液やリンパの流れが滞り、余分な水分や老廃物がたまりやすいので、春野菜の苦みをおいしくいただいてデトックスしていきましょう!
立春の一汁レシピ「菜の花と落とし卵のみそ汁」
菜の花には免疫力を高めるビタミンC、骨の健康に必要なビタミンKやカルシウム、血液の生成に必要な鉄分や葉酸、食物繊維などが豊富に含まれます。
実は卵との相性がとてもよく、それは卵がビタミンCと食物繊維以外の栄養素を全て含むため、欠けている栄養素を菜の花で補えるのです。また卵の味わいが菜の花の苦味をまろやかにしてくれるので味の相性としてもばっちりですよ。
材料(4人分)
作り方
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01菜の花は長さ3cm、白ネギは1cm厚さの斜め切りにする。
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02鍋にだし汁と白ネギを入れて中火にかける。煮立ったら弱火にし、菜の花を加え、卵を1個ずつ割り入れて、さらに2~3分、白身が固まるまで煮る。
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03みそを溶き入れ、すぐに火を止めて完成。卵の黄身はお好みの固さによって加熱時間を調整してください。(写真は加熱時間約2分のもの)
春野菜を食べて余分な水分や老廃物をデトックス
立春を迎えて変化する日差しに応じて芽吹き始める、栄養素たっぷりな春野菜たち。
手に入れられるのもほんの短い期間です。この機会を逃さず、春野菜で冬の間に溜め込んだ余分な水分や老廃物を体の外にデトックスして、春を気持ちよく迎えましょう。
次回の節気は、雪解けが始まり、草木が蘇ってくる節気「雨水」です。お楽しみに!