【二十四節気の一汁】寒露の一汁「かぶの豆乳みそスープ」
カレンダーで時おり見かける、立春や冬至といった季節の変わり目。
これらは二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれ、太陽の動きをもとに、春夏秋冬をさらに6分割した期間です。
その時期ごとに食べると縁起がいいものや、季節の変わり目にとりたい食材のヒントが隠れていたり。この連載では、寝かせ玄米によく合う一汁を、二十四節気の移り変わりとともにご紹介していきます。
■TOPICS
・寒露(かんろ)
・寒露の過ごしかた
・寒露に旬をむかえる食材
・寒露の一汁レシピ「かぶの豆乳みそスープ」
寒露(かんろ)
寒くなってきたかと思えば、暑さが振り返ったり、衣替えをするべきかどうか迷う、、、そんな天気が続いていますね。まもなく、霜になりそうな冷たい露を意味する節気「寒露」がやってきます。
2019年の寒露は10月8日から10月22日までの期間にあたります。
寒露の過ごしかた
秋晴れが見られる過ごしやすい季節で、各地でのイベントや行事ごとが多く、旅行にも適した季節です。四季の中だと一番秋が好き、という方も多いのではないでしょうか。
夏に比べて日照時間が短くなる秋冬の期間は、脳内にある神経伝達物質の「セロトニン」の分泌が少なくなりがちです。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気持ちを安定させてくれたり、食欲を調整する役割もあるため、秋の食欲が増える原因のひとつと言われています。
セロトニンが安定して分泌されるよう、日中はたっぷりと日を浴びて、夜はしっかり睡眠をとるようにしましょう。
また、セロトニンの元となるトリプトファンは、豆腐・納豆・豆乳などの大豆加工食品、赤身肉、マグロの赤身やカツオなどの青魚、米などの穀類、卵に比較的多く含まれます。どの食品も日常的に食べられるものだと思うので、意識してみるといいですね。
そして10月21日は秋の土用の入りです。土用は古代中国で生まれた自然哲学「五行思想」に基づく季節の分類で、季節の変わり目にあたるため体調を崩しやすいと言われています。
夏が終わって胃腸疲れが残っている方も多いと思うので、消化のいいものや栄養素が豊富な旬のものを積極的にとるとよいでしょう。
寒露に旬をむかえる食材
かぶは春と秋冬、2回の旬があり、寒露のこの時期に秋かぶが出始めます。
かぶにはアミラーゼという消化酵素が含まれており、炭水化物の消化をサポートして胃の負担を軽減してくれます。
また、大根やキャベツと同様に、生の状態で食べると少し辛みを感じますが、これはイソチオシアネートという成分で強い抗酸化作用があり、病気に負けない体づくりにもってこいの食品です。イソチオシアネートは加熱すると減ってしまうため、浅漬けなどにして食べるのもおすすめです。
さらに、かぶの葉にはビタミンが豊富に含まれます。糖質などの代謝に必要なビタミンB1やB2、免疫力を高めるビタミンCなど、風邪をひいた時にもおすすめです。味もくせがなく食べやすいので、捨てずに使うようにしましょう。
今回は、夏が終わって弱った胃にやさしい、かぶの和風スープをご紹介します。
寒露の一汁「かぶの豆乳みそスープ」
かぶの根と葉を丸ごと使ったスープ。かぶがとろっと柔らかくてなるまでしっかりと煮込んで、野菜の甘みを引き出します。豆乳でまろやかでコクのある口当たりに、しょうがのすりおろしを入れて風味よく仕上げました。
材料(4人分)
作り方
-
01かぶは1cmほど茎を残して切り、皮をむいて縦に8つ割りにする。葉の部分は3cmの長さに切る。にんじんと玉ねぎは1cm程度の角切りにする。
-
02小鍋に油を引いて、玉ねぎとにんじんを入れて、玉ねぎが透明になるまで炒めたら、かぶの根を入れて炒める。
-
03油が全体になじんだら、だしとしょうがを入れて野菜がやわらかくなるまで10分ほど煮込む。
-
04かぶの葉を入れて少し煮たら、みそを溶き入れ、豆乳を入れて弱火で加熱し、沸騰直前で火を止めて完成。
夏の疲れが残った胃にやさしいスープを
まだまだ暑い日がありますが、冷たいものは胃腸を冷やして血行を悪くし、消化や栄養素を吸収する機能を低下させます。夏からの疲れと、気温の変化などで疲れた胃腸をやさしくいたわり、意識して暖かいものをとるようにしましょう。
天候も過ごしやすく外遊びが楽しい季節なので、日中はしっかりと太陽の光を浴びて、心身ともに元気に過ごせるといいですね。
次回の節気は、晩秋から初冬に向けて、霜になりそうな冷たい露を意味する節気「霜降」です。お楽しみに!