群言堂日記03-拾う暮らし
阿部家には、捨てられたものを拾い、新たな価値を見出したものたちがたくさんあります。
不思議な形をした洗面所のシンク。実は古い甕を縦に割ったもの!
脱衣所のシンクは廃墟になった銀行からもらってきた石を削って作ったそう。
手で削られたラフな形に温かみを感じます。
羽釜の羽の部分を使ってつくられた、丸い大きな鏡!
小学校の階段の「腰板」を繋ぎ合わせて作った食卓のテーブルに、
小学校のいすも使われています。
そして、中土間にあるパッチワークのような窓ガラス。
古い建具などから集めたもので作られていて、2つと同じものは再現できない、大変貴重なものです。
古いものを生かしたいという想いと、アイディア、そしてそれを形にする技術や工夫で生まれ変わったものたち。
今は壊れたものを直さずに、捨てて買い直す生活に慣れきってしまっているけれど、本当は昔からそうやって工夫して生活をしていたのだなと考えさせられます。
なによりそうやって工夫して暮らしの中で何かをつくるのは楽しい!
阿部家での暮らしはそんな気持ちを思い起こさせてくれます。