群言堂日記02_全ての基本は掃除から
阿部家での仕事はまず掃除からはじまります。
掃除こそ全ての基本だと話す登美さん。
お客さまに見えるところだけを掃除するのではなく、見えないところこそキレイに。
食卓の床も毎日丁寧に雑巾がけをします。
床の雑巾がけなんて、高校生のとき以来だな…と思いながらもくもくと手を動かし、体を動かすと、その場所の空気が変わるのを感じます。
気持ちもなんだかすっきり。
実はこの床板、廃校になった小学校から引き取られた床材でできています。
テーブルは階段の「腰板」という部材をつなぎ合わせてつくられたもの。
捨てられたものを拾い、新たな価値を見出そうという想いから、阿部家にはさまざまなストーリーのあるものが集まっています。
見た目にもかなり古い木材だということがわかりますが、毎日丁寧に拭きあげられた床板は素足で歩くと気持ちが良い。
かつてはたくさんのこどもたちが、今は阿部家を訪れる人たちが踏みしめてきた床は、古びて朽ちるどころかむしろ元気につやつやと輝いています。
今まで「ゴミを捨てて掃除機をかけること」程度だと思っていた掃除。
ところが、阿部家ではゴミにされるはずだったものを生かしながら、日々の暮らしの中できちんと磨き上げられています。
デスクワークでなまりきった体には、毎日の掃除は若干堪えますが…
毎日毎日そんなことを思いながら掃除を続けていると、だんだんすっきりとした気分の心地よさの方が強く感じられるようになってきました!