【二十四節気の一汁】雨水の一汁「さわらと春キャベツの豆乳みそスープ」
カレンダーで時おり見かける、立春や冬至といった季節の変わり目。
これらは二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれ、太陽の動きをもとに、春夏秋冬をさらに6分割した期間です。
その時期ごとに食べると縁起がいいものや、季節の変わり目にとりたい食材のヒントが隠れていたり。この連載では、寝かせ玄米によく合う一汁を、二十四節気の移り変わりとともにご紹介していきます。
■TOPICS
・雨水(うすい)
・雨水の過ごしかた
・雨水に旬をむかえる食材
・雨水の一汁レシピ「さわらと春キャベツの豆乳みそスープ」
雨水(うすい)
余寒の続く中、本州各地で梅の花が見られるようになってきました。
桜の開花ほど豪華ではないのですが、こっそり春の訪れを伝えるように咲いているのがなんとも可愛らしい存在です。
まもなく、景色を白く染めていた雪が雨に変わる「雨水(うすい)」の節気がやってきます。
雨水の過ごしかた
雨水は2月19日から3月4日までの期間にあたります。
“三日寒い日が続いた後に、四日暖かい日が続く”ことを意味する「三寒四温」という言葉がありますが、この頃の天気は低気圧と高気圧が交互にやってきて、周期的な気温の変化を繰り返しながら、ゆっくりと一歩ずつ暖かい気候に近づいていきます。
気温の変化が続くときに注意したいのが、自律神経の乱れです。
自律神経が乱れると、血流やリンパ液の流れの滞りや免疫力の低下、頭痛や倦怠感などの体の不調が見られることも。
リンパ管には余分な水分や老廃物が回収され、リンパ液には血液と同様に免疫細胞が存在しており、体の中に入ってきた細菌やウイルスを排除する働きもあります。
リンパ液は体の末端(手足)から体の中心に向かってゆっくり流れるので、デスクワークで座りっぱなしや立ち仕事の多い方、また筋肉の少ない方はリンパ液が滞りやすいです。
特に、耳の後ろ、わきのした、足の付け根やひざ裏などには、リンパ節というリンパ管が合流する場所があるので、気がついた時にこれらのリンパ節をマッサージすると良いでしょう。
また、ウォーキングや軽めのランニング、ヨガなど気軽に取り入れられる有酸素運動は筋力の維持だけでなく、自律神経を整える効果もあります。
暖かくなってきて外での運動もしやすくなってきたので、ぜひトライしてみましょう。
雨水に旬をむかえる食材
春の魚と書く鰆(さわら)は関東では冬から初春にかけて、関西では春に旬の時期が訪れます。旬のさわらは産卵前で脂がのっているため、濃厚な味わいを楽しめます。
さわらには、筋肉や体のもととなるたんぱく質、骨を丈夫にするビタミンD、血管の健康をサポートするDHA、血液を生成を助けるビタミンB12など、体にとって大切な栄養素が豊富に含まれます。
また、春の店頭に並ぶキャベツは春キャベツと呼ばれ、巻きがゆるくて葉がやわらかく、通常のものとはまた違った味わいです。
栄養価は、ビタミンB12とともに血液の生成を助ける葉酸や、免疫力を高めるビタミンCが含まれます。
今回はこのさわらと春キャベツを使った、食べ応えのあるみそ汁をご紹介します。
雨水の一汁レシピ「さわらと春キャベツの豆乳みそスープ」
キャベツはやわらかいのでしっかり煮込まなくても大丈夫。さわらもさっと火を通すことで、身をやわらかく仕上げます。
材料(2人分)
作り方
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01さわらは塩をふって5分ほど置いたらキッチンペーパーで水気をとり、ひと口大に切って、全面に薄力粉をつけてはたいておく。キャベツは食べやすい大きさに切り、玉ねぎはくし切りにする。
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02小鍋にオリーブ油を引き、中火にかけて温まったら、さわらを皮の面を下にして焼く。片面にうっすらと焼き目がついたら裏返し、同じように表面に焼き目がついたら取り出す。
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03②の小鍋にだし汁、キャベツ、玉ねぎを入れて蓋をして中火にかける。煮立ったら弱火にし、5分ほど煮たら、さわらを入れてさらに2〜3分ほど加熱する。
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04豆乳を入れて温まったら、しょうゆ・みそを溶き入れ、沸騰直前で火を止めて完成。
体の巡りをよくしましょう
気温の変化が繰り返され、自律神経が乱れやすい雨水の節気。
血液とリンパ液がしっかりと循環するように、体作りとなる食事と筋力維持のための運動を心がけるといいですね。
次回の節気は、冬ごもりしていた虫たちがはい出てくる節気「啓蟄」です。お楽しみに!