間違った糖質制限は“やつれる”?
痩せたければ “カロリーより代謝 ” に注目!
米の摂取量は減っているのに、糖尿病や肥満が増えているのはナゼ?
近年、糖質制限ダイエットが流行し、 糖質を多く含む米やパン、 麺や芋などを食べない人や控える人が多くいます。
取り過ぎはよくありませんが、極端な糖質制限は本当に危険です。 「米などの糖質をとる=太る」という安易な考えには、 健康を害するリスクがたくさんあります。
その証拠に、 日本人の米の摂取量は減っているのにもかかわらず、糖尿病や肥満は増加の一途を辿っています。(※1)
例えば1960年と2014年を比較すると、米の消費量は約半分に。逆に肉類は約6倍、 牛乳・乳製品は約4倍に増えています。(※2)
これは日本人の食生活が欧米化した結果です。肉たっぷりのおかずの割合が増え、ごはんが半減。 それに加えて野菜の摂取量も少なく、ビタミン・ミネラル・食物繊維の副栄養素が不足。
その結果、スムーズに消化・代謝・排泄ができなくなって太ったり、糖尿病などの生活習慣病になるリスクが増すという結果につながっています。
(※1)厚生労働省「平成 26 年患者調査」より
(※2)農林水産省「品目別消費量の推移」より
糖質を抜いて起こるデメリットとは?
体に必要なメインのエネルギー源である糖質を抜けば、当然ながらすぐに体重は減ります。 しかし、体はエネルギー不足になると、肝臓や筋肉で水と一緒 に蓄えられていた燃料を持ち出します。 すると、筋肉量が落ち、さらに水分も失われます。 この現象は 「やせる」というよりも「やつれる」という表現がピッタリ合います。
つまり、糖質制限を続けた結果、筋力や体温の低下、生理不順、便秘や肌荒れ、頭痛、集中力低下、めまい、骨粗しょう症などの危険が非常に増すのです。
人間は長い歴史の中で、脳やカラダに必要なエネルギーの大部分を 米や麦などの穀物や芋類などから摂取してきました。もちろん、砂糖の取り過ぎは控えるべきというのは言うまでもありませんが、 糖質制限ブームを鵜呑みにし、安易に主食を悪者扱いするのは間違いなのです。栄養不足で代謝や体温が下がり、不健康にならないよう注意しましょう。
痩せたいアナタに知ってほしい。
カロリーで食事の善し悪しを決めるのは無意味です!
「メニュー選びはカロリー重視。 低カロリーな食事は健康にいいからね♪」
なんて思っている方、それは大間違いです!
カロリーほど無意味な指標はありません。そもそも、カロリーはエネルギーの単位にすぎません。エネルギーになる栄養素は、炭水化物・たんぱく質・脂質の3つ。この3つを合わせたものが総カロリーになります。
ですから食事の総カロリーだけみても栄養素の割合はわからないし、低カロリーが健康に良いということには結びつかないのです。では何に注目すれば良いのか?
それは、その食事の中に、ビタミン・ミネラル・食物繊維・酵素(※1)など、 消化・代謝・排泄に必要不可欠な“副栄養素”が含まれているかどうか、つまり、きちんと「栄養素の割合と質」を見極めることが大切なのです。これこそが健康やダイエットにつながる鍵となります。
大切なのは、代謝できるかどうか。
- Aの食事(600kcal)
- クロワッサン、ウィンナーソーセージ、 ミニトマト、パセリ、牛乳
- Bの食事(600kcal)
- 玄米、豆腐と青菜の味噌汁、五目ひじき煮、 きゅうりとかぶのぬか漬け、ほうじ茶
上記の食事はどちらも総カロリー600kcalです。
「A」 は脂質の割合が多くて副菜栄養がほとんどない食事です。
「B」 はビタミン・ミネラル・食物繊維・酵素がたっぷりの食事です。
どちらが太るでしょうか?
正解はもちろん「A」の食事です。 肥満は脂肪や老廃物が体に蓄積することが原因です。さらにその蓄積がさまざまな機能低下を起こし、健康を害することにもつながります。それを防ぐには しっかりと「消化・代謝・排出ができる」食事をすることが大切です。
しっかり代謝できる理想的な割合は
「炭水化物:たんぱく質:脂質=60:15:25」です。
わかりやすく食品で分けてみると
(米・麺・パン・芋・砂糖):(野菜・きのこ・海藻):(肉・魚・卵・乳製品・大豆)=6:3:1
太ることを気にして野菜ばかり食べている人は 「3:6:1」となって代謝の低下につながり、不健康で痩せにくい体を自ら作ってしまっているのです。
カロリーの「割合と質」の両方を満たし食事で、しっかり代謝ができる体をめざしましょう。