【二十四節気の一汁】芒種「まるごとトマトの生姜スープ」
カレンダーで時おり見かける、立春や冬至といった季節の変わり目。
これらは二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれ、太陽の動きをもとに、春夏秋冬をさらに6分割した期間です。
その時期ごとに食べると縁起がいいものや、季節の変わり目にとりたい食材のヒントが隠れていたり。この連載では、寝かせ玄米によく合う一汁を、二十四節気の移り変わりとともにご紹介していきます。
■TOPICS
・芒種(ぼうしゅ)
・芒種の過ごしかた
・芒種に旬をむかえる食材
・芒種の一汁レシピ「まるごとトマトの生姜スープ」
芒種(ぼうしゅ)
2020年の芒種は6月5日から6月20日までの期間にあたります。
「芒種(ぼうしゅ)」という言葉にある「芒(のぎ)」とは、イネ科の穂先にある針のような部分のこと。芒種は稲などのイネ科の種をまく時期であったことに由来しています。
芒種の過ごしかた
芒種は恵みの雨が降る頃で、全国的に梅雨に入ります。
梅の雨と書いて、なぜ梅雨(つゆ)と呼ぶのかについては諸説あるそうですが、梅の実が熟す時期であることや、露(つゆ)を連想することなどから由来していると言われています。
その由来の通り、青色だった梅が黄色く熟し、梅干しや梅ジャム作りに適した季節です。
湿気でカビが生えやすい季節でもあるので、除湿や換気には気を配るようにしましょう。
すぐにできる除湿の方法は、重曹や塩を何でもいいので容器に入れて、湿気のあるところに置いておくだけ。重曹は固まったら交換のタイミング、塩はフライパンで乾煎りすると何度でも使えます。
体調面では体が冷えやすく、免疫力が落ちたり、胃腸不良など体調を崩しやすい時期なので、冷たいものはできるだけ避けて温かいものを選ぶようにしましょう。
食材では、人参・じゃがいも・かぼちゃ・玉ねぎ・生姜・玄米・納豆やキムチなどの発酵食品などがおすすめです。
芒種に旬をむかえる食材
ハウス栽培によって1年中手に入るようになったトマトも、春から夏にかけて店頭に並ぶものは真っ赤でごろっと立派な見た目に、価格もお手頃できちんと旬を感じられます。
トマトには抗酸化作用のあるリコピンやビタミンA・E・Cが豊富なので、免疫力の下がりやすい時や日焼けが気になる時期には積極的に摂りたい食材です。
生で食べるのが主流なトマトですが、加熱したり油と一緒にとることでリコピンの吸収率が高まります。味わいにおいても、加熱すると旨み・甘みが増すので、生で食べるのとはまた違った味わいです。
芒種の一汁レシピ「まるごとトマトの生姜スープ」
加熱したトマトの濃い味わいを存分に楽しむ、トマトをまるごと1個使ったスープです。生姜で内側からポカポカとしてきます。
材料(2人分)
作り方
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01トマトはヘタをくり抜いたら、皮がめくれやすいようにヘタの部分と反対側に十字に切り目を入れておく。玉ねぎは1cm角に切り、大葉はせん切りにする。
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02小鍋にオリーブ油・玉ねぎを入れて中火で加熱し、玉ねぎが半透明になってきたら、だし・生姜を入れてさらに加熱し、沸騰直前で弱火にしたらトマトを入れて5分ほど加熱する。トマトの皮がむけたら取り除く。
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03しょうゆを加え、塩・こしょうで味を整えたら火を止める。器に盛り付けて大葉をのせたら完成。
恵みの雨期を元気に過ごしましょう
芒種には雨の日が増え、ゆううつな気持ちになったり、上下する気温差で体調を崩しやすい時期です。旬の梅干し作りやらっきょう漬けなど、おうちでの手仕事に精を出して見るのもいいかもしれません。一度にたくさん作るのは大変ですが、集中して作業すると達成感も味わえます。
免疫の下がりやすい頃なので、寝かせ玄米ごはんとご紹介したレシピでトマトの栄養をまるごとスープと一緒にとりいれて、体を温めてみてくださいね。
次回の節気は、1年の中で最も昼が長く、夜が短い節気「夏至」です。お楽しみに!