群言堂日記-08茅葺屋根の家「鄙舎」
1996年に広島の旧・世羅郡から石見銀山に移築された「鄙舎(ひなや)」。
群言堂本社のすぐ真横にあって、木々と田んぼの合間に顔を覗かせる茅葺屋根はまさに日本の原風景!
群言堂の社員さんが田んぼの畦道からてくてく歩いて出社する姿を見ると、満員電車でむぎゅむぎゅに押しつぶされながら通勤していた頃を思い出しつつ、考えさせられるものがあるなあと思います・・・
前の家主の元を離れ、はるばるこの土地までやってきた鄙舎。いまではイベント会場として使われたり、群言堂の社員の方達がお昼ごはんを食べたりと、人が集まり賑やかな場所に。
とある晴れた日に本社の社員さんたちとみんなで縁側に出てお昼ごはんを食べました。
日の当たるあったかい縁側で食べるごはんのおいしさと言ったら…!
また別の日、あいにくの雨の日だったけれど、茅葺屋根ごしに、しとしとと降る雨音を聞いていたら雨の日も悪くないなと思えます。
10/22に開催された青柳拓次さんのライブではたくさんのお客さんが集まりました!
近くに住むこどもたちもたくさん集まってにぎやかな鄙舎。こんな素敵な家が取り壊されずにこうしてここまで来てくれて本当に良かった・・・みんなでわいわい話しながらふと部屋を見渡すと、本当に家がよろこんでいるように感じます。
「古くて貴重なものなのでお手を触れないでください!」
と、見学するだけになってしまっているものは建物に限らず数多くありますが、「博物館に入った時点で道具は死ぬ。人が使わなくなったら、道具ではなくただのモノになるんだ。」とある人から聞いた言葉を私は忘れることができません。
阿部家や鄙舎は晴れの日の雨の日も人が集って、こどもは走り回り、大人は楽しくお酒を飲み交わして・・・暮らしの中にあってちゃんと呼吸をしている家なのだということがわかります。
登美さんはよく、「家が喜ぶ使い方をしたい。」と言いますが、それは家の表情を見れば一目瞭然!
人々がその中で元気に暮らすこと自体が、家や土地が生き生きと輝くことにつながっていくのだなと強く感じさせられます・・・!