【コラム】命輝く子どもたちから元気をもらうドキュメンタリー映画『いただきます~みそをつくるこどもたち~』上映会に行ってきました!
10月7日(土)、渋谷のUPLINKにて映画「いただきます~みそをつくる子どもたち~」の上映会が開催されました。上映後には、オオタヴィン監督と醗酵デザイナー小倉ヒラクさんによるトークショーも開かれました。その様子や映画を見て感じた思いをレポートします。
高取保育園での給食には、なんと玄米・みそ汁・漬物・納豆など昔ながらの日本食がでてきます。一見子供たちが嫌がりそうな献立を、高取のこどもたちはおかわりをして、お皿をなめまわしてしまうほど、美味しそうに食べるんです。
息継ぎは大丈夫?と思うほどお味噌汁をじゅるじゅる~と飲む映像に、会場も笑いに包まれました。
子どもたちのそんな姿を見ていると、「こどもは“和食や玄米”がきらい」という先入観は、私たち大人が作ってしまっていたんだと気づかされます。
さらに、その味噌や漬物などを自分たちで仕込んでいるというから驚きです。
自分で作ったものが美味しいということ、他の人に作ってあげることが楽しいということ、子どもたちは、日々の手仕事を通して学んでいきます。小さな子供たちの背中が大きく見えた瞬間でした。
こんなに小さいのにこんなことも知っているの!?という驚きの連続で、自分もこんな保育園に通いたかった、とうらやましくも思うのでした。
まさに私たちの世代が失いかけている『次の世代へ引き継ぐべき大切なこと』を、高取の子供たちは知っていて、この映画を通してそれを教えてくれます。
高取保育園園長・西福先生の挑戦と、それを物語る子どもたちの笑顔、画面いっぱいに伝わってくる子どもたちの活力に元気をもらえる映画でした。
上映後にはゲストスピーカー小倉ヒラクさんに用意いただいたお味噌汁が配られました。
映画にも出てきた糀島商店のお味噌を使って作られたお味噌汁。糀の量が通常の味噌の2~3倍ということで、白みそのような甘み。
そして小倉ヒラクさんとオオタヴィン監督が登壇し、トークショーが開催されました。
そこでは「お味噌汁は日本人の文化と歴史の結晶だ」と味噌への熱い思いが語られたり、世界的に見た味噌の不思議や味噌の名前の由来などマニアックなお話もあって会場も盛り上がりました。
帰りに映画館の物販コーナーでお味噌(甲州のやまごみそ)と小倉ヒラクさんの最新書籍を買い、自宅でも映画の余韻を楽しむのでした。
なぜ、こんなにも日本食が美味しくて、私たちの体がそれを求めるのかが分かった気がします。素朴でいい、その日本食の良さが、生命力あふれる子供たちとともに美しい映像の中で表現されていました。
忙しくて食事を作るのが大変な子育て中のお母さんやお父さんはもちろん、たくさんの人に見てほしい!と思う映画です。ぜひ関東にお住まいの方は足を運んでみてください!
[あらすじ]ドラマや映画化もされたベストセラー「はなちゃんのみそ汁」のはなちゃんが通った保育園として広く知られるようになった高取保育園は、1968年に開園。アレルギーや食育という言葉がまだない時代から、アレルギー疾患の子どもたちを受け入れ、その解決策や食のあり方を探ってきました。試行錯誤を続け、答えを“かつて当たり前だった日本の暮らし”の中に見出します。この和食給食スタイルは“食は命なり”という理念のもとに実践され、多くの園児たちを健やかに育ててきました。みそを作り、おにぎりを握る子どもたち。古きよき日本の食卓を学ぶ姿に浮かび上がるのは“和食と日本人の深い関係”です。本作では、発酵学の第一人者である小泉武夫先生や各分野の専門家とともに、日本の伝統的な和食に隠された先人たちの英知を紐解いていきます。
映画『いただきます〜みそをつくる子どもたち』
(2017年/75分/HD/16:9/日本/ドキュメンタリー)
ナレーション:石田ゆり子
出演:高取保育園の元気な子どもたち、保護者のみなさん、西福江(高取保育園園長)、小泉武夫、奥田昌子、木村泰子ほか
監督・撮影・編集:オオタヴィン
プロデューサー:安武信吾
エンディングテーマ:星めぐりの歌(作詞・作曲:宮澤賢治、歌:坂本美雨 with CANTUS )
挿入歌:いま 生きているということ(作詞:谷川俊太郎、作曲・歌:小室等)
製作:イーハトーヴスタジオ
配給・宣伝:メジロフィルムズ
公式サイト:http://itadakimasu-miso.jp/
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