玄米は白米と比較して栄養価が優れているのに普及しないのはなぜか、そのデメリットを検証
玄米は白米と比べて、ビタミン・ミネラル・食物繊維の副栄養素が豊富に含まれている「パーフェクトフード」と言われます。そのため健康のために玄米を選択する人が増えてきています。
日本食糧新聞の記事によると、玄米のほか、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれているとされる、もち麦や胚芽押麦などの雑穀を“高機能性米”と呼んで、その需要が増えていることがわかります。
日本食糧新聞「高機能性米特集:健康志向追い風に10年で倍増 もち麦苦戦、玄米伸長」
一方で、お米の需要量は年々減少しており、近年では年間10万トンの推移で減少しています。
農林水産省 米をめぐる関係資料 令和4年3月版より
栄養価が高いことがだんだん知られてきている玄米ですが、白米も含めたお米の需要がそもそも減ってきています。ここではお米というより、「パーフェクトフード」である玄米がなぜ普及しないのか、玄米にまつわるデメリットについて考えてみました。
■TOPICS
・玄米のデメリット 消化不良になりやすい
・玄米による消化不良を回避するために
・玄米のデメリット おいしくない
・玄米のデメリット めんどくさい
・そのほかの玄米のデメリット
・デメリットよりメリットが大きい
玄米のデメリット 消化不良になりやすい
玄米とは、稲の果実である籾(もみ)から籾殻(もみがら)を取り除いた状態のもので、精米する前のお米のことです。カロリーは白米と同じですが、玄米は周りをぬかに覆われているため、白米とは違って茶色い色をしています。この茶色いぬかの部分には、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素が詰まっています。
白米はこれらを精米することによって、栄養素になるものを全て取り除いていますので、真っ白で調理しやすく、食べやすくしているので、とても消化しやすく、お腹に優しいです。
玄米は、白米と比較して、栄養素の詰まった皮・ぬか・胚芽を除去せずに一緒に食べるため、普通に炊飯しただけでは皮の部分が硬く、ボソボソとした食感となり、よく噛んで食べることが重要になります。
玄米を日常的に食べている人からすると、白米はあまりに柔らかいので、飲んでいるような錯覚を覚えるほど、食感が極端に違います。
このため、よく噛んで食べなかった場合、消化不良になって下痢になったりする場合があります。
玄米による消化不良を回避するために
玄米で消化不良にならないようにするための方法は2つあります。1つは、とにかく咀嚼すること。咀嚼には消化をよくするだけでなく、よく噛むことによって唾液をたくさん出して口の中をきれいに保つ効果があったり、口の周りの筋肉をたくさん使うので、顔がシャープになったり、血流がよくなるので、脳の活性化につながる可能性が言われています。一口30回が目安です。
もう1つは、圧力鍋を使って炊飯することです。こちらはおいしさの追求も合わせて解決してくれますので、次にご紹介します。
玄米のデメリット おいしくない
玄米を白米と同じように炊飯器で炊くと、食感がゴワゴワしていたり、パサパサで、白米と比べるとおいしくないと感じる方が多数です。このため玄米が普及しないと言っても過言ではありません。玄米から皮や胚芽などを10%削ったものが白米です。この過程で白米として不要なものとして出てくるのがぬかです。ぬかが入ってしまうと、食感が悪くなります。このため、普及しているお米のほとんどは米ぬかを完全に取り除き精米した状態で販売されている白米がほとんどで、ごはんといえば、当然のように白米という状態になっています。
玄米をおいしく食べる方法は圧力鍋で炊飯することです。玄米が食べにくいのは、栄養素が詰まっている皮が硬いことが大きな要因です。圧力鍋で炊飯すると、炊飯温度が120℃に達するので、皮が柔かくなります。また水分を飛ばすのでお米に弾力性がでて、食感がもちもちになり、とても美味しくて食べやすい玄米を炊き上げることができます。
さらに圧力鍋で炊いた玄米を数日寝かせて作るのが「寝かせ玄米®」です。食べにくい・美味しくない、という今までの玄米の概念をくつがえす、もっちもち食感とお米の甘みが特徴です。
美味しく炊飯するために、YUWAERU(結わえる)式の炊き方ガイドを作っていますので、よろしければご参照ください。また、玄米をおいしく炊くためにつくられたと言っても過言ではない、鋳物屋さんの圧力鍋がおすすめです。
玄米のデメリット めんどくさい
圧力鍋で炊飯すればおいしく食べられることはわかっても、普段圧力鍋を使っていない人からすると、実行するハードルが高く、また自炊はめんどくさいと考える人は敬遠する可能性があります。この点も、玄米が普及しない一つの原因と思われます。
YUWAERU(結わえる)では、圧力鍋で炊飯したおいしい「寝かせ玄米®」を手軽に便利に食べられるよう、「寝かせ玄米®ごはんパック」を開発しました。常温保存可能で持ち運びも簡単なレトルトパックです。電子レンジで温めるたけでおいしい玄米ごはんを食べることができるので、めんどくさがりの方や、自炊する時間のない方におすすめです。
そのほかの玄米のデメリット
玄米のデメリットとして、他にもさまざまなことが言われます。ここからはQ&A形式でお答えします。
玄米についた農薬が心配です
たしかに、農薬が残る可能性がありますが、健康被害が出るほどの残留農薬のあるものが現在の日本で流通するようなことはありません。お金に余裕のある方は無農薬や特別栽培の玄米を選ぶとなお良いでしょう。ただ玄米を食べていれば、そのデトックス効果で化学物質などの毒素を外に排出してくれるようになります。豊富な栄養素を摂取できるメリットも大きいので、農薬を気にして玄米を食べずに白米を食べることより、健康に対するメリットは大きいでしょう。
貧血になるのが心配です
玄米は、お米の種なので、水をやると発芽します。植物の種子にはフィチン酸と言われる強力な排毒作業をもつ物質が含まれ、玄米にも存在します。フィチン酸はミネラルの中でも特に鉄分を対外に排出してしまうことが知られています。しかしこれは生の状態で食べた時のことです。ごはんとして食べる場合は必ず火を通すので、心配ありません。このような毒を排出する働きが加熱によって適度に弱まることによって、私たちにとってはちょうどいいデトックス作用になります。農薬や添加物といった化学物質を体外に排出してくれる働きがあります。
玄米に毒性があると聞きました
玄米の毒性として指摘されているのが、アブシジン酸(アブシシン酸)です。アブシジン酸とは、ほとんど全ての植物が乾燥に耐える為に産生するホルモンで、これが分泌されると、植物内の水分が大切な部分(主に種子)に移動して自己防衛反応をします。このアブシジン酸が細胞(ミトコンドリア)を傷つけると言われています。植物への成長調整剤として、さまざまな農産物の農薬の一種としても使われています。この毒性について、食品安全委員会による専門委員会が調査を実施し、毒性はないという報告書が発表されています(2021年10月)。
フィチン酸も、アブシジン酸(アブシシン酸)も、玄米だけでなく雑穀や豆類、ナッツなど全ての植物に含まれるものです。一方でそれらの食品は栄養価の高い健康食品の代表例としても挙げられます。これらの農産物は人類が長い間食べてきたもので、体への悪影響よりも、良い点があるから食べ続けられてきていると考えることができます。
デメリットよりメリットが大きい
これまで玄米のデメリットと言われる部分をみてきましたが、玄米のデメリットとして挙げられる、消化不良、おいしくない、めんどくさいといった点は工夫と選択で改善できます。そのほかのデメリットは存在しますが、デメリットを挙げるより玄米の栄養価が高いというメリットの方が大きいです。私たちYUWAERU(結わえる)は、100点の完璧な食生活は難しいけれど、70点でいいから継続していくことで、好きなものを我慢せずに健康的な食生活は実行できると考えます。
ぜひ70点目指して、デメリットを克服して、健康を手に入れてみてはいかがでしょうか。